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イケヴァン 混血少女のファンタジア

第3章 会いたかった人


言葉の意味を聞き返す間もなく、男性は、興味をなくしたように私の横をすり抜け、階段を下り始めた。

「晩餐会だけでも憂鬱だって言うのに」

そう呟いた男性の言葉と背中は、この状況を冷たく、拒絶して見えた。

階段を下った先にもうひとつ新しい人影が見えた。

「時間通りに来ている人もいるんだから、ちゃんと来ないとダメだよ」

その澄んだ声音と優雅な佇まいに思わず息を飲む。

「あなたは!」

階下にいたのは、美術館で自分のヘアピンを拾ってくれた男性だった。
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