第3章 嘘の彼女
「やっと…片付いた…今日の分…」
机にばたっと伏せて、ふぁ~っと大きく息をついた。
もう夜中の1時か…
さすがにシカマルは先に帰ったけど、かかし先生はまだ一緒に仕事をしていた。
「俺も、なんとか一区切りついた…
これでお互い今日は帰れるね」
そうにっこり言われて、私も笑い返した。
「送っていくから、かえろ。ほら支度して」
「いや、大丈夫ですよ。こんな夜中、むしろ誰もいませんよ(笑)」
「いいから。彼女でしょ?だまって言うこと聞く」
その言葉に赤面してしまった。
これは嘘だ、彼女とは嘘だ…と頭で言い聞かせても、心はその言葉にとてつもなく反応し、バクバクいっている。
聞こえちゃいそうだ…
かかし先生と一緒に夜道をゆっくり歩いた。
満たされる幸福感…と同時に、これは本当の彼女としてではない…という気持ちのはざまで、自分の心は不安定に揺れ動いた。