第4章 失恋の先
「ねぇ、先輩まだかなぁ?」
「ん~そろそろ来るんじゃない?」
私は、同じ大学に大好きな先輩がいる。
私と先輩の接点は、全くない…。
先輩は私の友達と知り合いだったから、とりあえずお話だけでもしたくて今日は友達に頼んでカフェに呼び出してもらった。
「ヤバイ…どうしようどうしようッ!!」
待ち遠しいのにここに先輩が来てくれるというだけで嬉しい様な帰りたい様なよくわからない気持ちになる。
「さっきまでまだかなぁ?とか言ってた癖に」
友達は、そんな私を見てクスクスと笑っている。
「だ、だってぇー」
「あ、着いたって!!」
その言葉を聞き、私の心臓は跳ね上がる。
前を向けずにうつ向いたままの私…。
「ごめんね、待った?」
優しいその言葉に私はやっと顔を上げる。
「ぜ、全然そんなことないですっ!!今日は来てくださってありがとうございます…」
先輩の姿を見ながら、最後は消え入りそうな小さな声になってしまう。
そんな私を不思議そうに先輩は見る。
「どうしたの?」
先輩はそう言いながら友達の隣に座る。
髪は寝癖のまま、服もなんでその格好なの?と聞きたくなる程だ。
「い、いえ…なんでもありません」
先輩は、私に嫌いになってほしいんだとすぐにわかった。大学ではいつもステキな格好をしているから。
少しでも好きという気持ちがあるならこんな格好はしないだろう。
先輩は、私に告白のチャンスすら与えてくれないらしい。
先輩に少しでも可愛く見られたいと張り切ってオシャレしてきた自分がすごく惨めに思えてくる。今すぐここから消え去りたい。
「そっか…で、今日はなんの話?」
「あ…話って言うか、別に楽しくお茶出来たらなぁって思っただけだよ?ね?」
友達は必死にこの場を盛り上げようとしてくれている。
友達の為にも泣かない様に必死に我慢をしてなんとか笑顔を作る。
「そうなんですっ先輩とお話ししたいなぁって思いましてっ」
「そっかぁー」
友達は、なんとか私のいい所を先輩に伝えようと一生懸命に話をする。
私も泣かない様にと必死にニコニコと話を続ける。
「あのさぁ…君…本当に鈍感だね…」
「え…??」
先輩がすごく嫌そうにそう言った。