第4章 急斜面(伊黒小芭内)*
「…もう答えは出たな。」
あわあわしている私を横目に
伊黒さんはそう言って微笑んでいた。
ドキッ…
「まぁ、今は胸を張って
好きと言えないと思うが、
一緒にいるうちに必ず
好きにさせてみせる。」
『なっ……!』
「俺はお前が好きなんだ。
お前は俺のこと嫌いではない。
それなら触れてもいいだろ?
ずっとお前に触れていたいんだ。」
『〜っ!もうっ…
その顔でそういうこと言うの
反則ですっから……』
あー暑い。
きっと、耳まで真っ赤なんだろうな。
『…伊黒さんになら触れられても
いいです…』
また伊黒さんが優しい顔で
微笑んでいた。
『でもっ……
身体だけの関係は嫌なので…
伊黒さんの全部をください…
私だけにしてくださいっ!』
ちょっと私!なにさらっと
凄いこと言ってるんだ……
「…馬鹿。当たり前だろ。
飛鳥…愛してる。」
伊黒さんは優しく私に口づけを
してくれた。