第4章 急斜面(伊黒小芭内)*
ー…外が明るい。
私は目を覚ました。
『いたたたた…』
腰が痛む。
隣りには伊黒さんが寝ている。
『…私…昨日本当にこの人と…』
媚薬の効果はすっかり切れている。
私のために、伊黒さんは
好きでもない女を抱いてくれたのだ。
『…綺麗な顔、、、』
女の私なんかよりよっぽど美しい。
身体だって決して大きいとは言えない。
でも引き締まった身体と力が
男だということを証明している。
それに…昨日の伊黒さん…
すごく色っぽかったな、、、
この人の腕でたくさん抱かれたんだと
思うと急に恥ずかしくなってきた。
『…伊黒さん。
私を助けるために、抱いてくださって
ありがとうございました。
煉獄さんが亡くなった後、
ずっと傍にいてくれて嬉しかった。
伊黒さんが隣にいると凄く
安心するんです。
少し気まずいけど今までみたく
仲良くできるかな…。
好きでもない奴と
あんな淫らなことさせてしまって
本当にすみません…
でも私…初めてが伊黒さんで
良かった。』
私はひとまず蝶屋敷に向かうことにした。