第3章 照れかくし(時透無一郎)*
『はぁ、はぁ…師範…ただ今戻りました…』
「…遅い。というかそれだけで
そんなに息あがってちゃあ駄目だよ。」
『…すみません…』
「ねぇ、君さぁ本当に強くなりたいの?
僕の継子になってどのくらい経つ?
全然駄目だよ。
だから昇格できないんだよ。」
『…すみません…』
あーあ、まただ。
まーたいつものネチネチが始まった。
蛇柱の伊黒小芭内さん以上に
ネチネチしてるんじゃないの、この人。
…はぁ、この小言いつまで聞かされるんだろ。
というかなんで私が霞柱の継子なの…
「ねぇ、話し聞いてる?」
『わっ…!し…師範!近いですって!』
私の目の前には師範の綺麗な顔が。
…ほんといつ見ても綺麗な顔だよなぁ。
女の人より全然綺麗なんじゃないかと思う。
「君僕の話し聞いてるの?
いっつもボーっとしてるよね。
もっと頑張ってよ。
それだから強くなれな…」
『あぁもうっ!分かってますってば!
何回そうやってネチネチ言えば
気が済むんですかっ!
私だって頑張ってますよ!
それに継子になってまだ3ヵ月です!
師範のように2ヵ月で柱になれる人なんて
いませんから!
いい加減自分と比較するの
やめてください!!!』
…勢いのあまり言ってしまった…。