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手のひらの虹 【恋人は公安刑事】津軽高臣編

第17章 新しい始まり《主人公目線》


わたしは柔らかい朝の日差しの中で、津軽さんの腕の中で守られるように囲われて、目が覚めた。


しばらく、焦点が合わない目を瞬かせていると、目の前に津軽さんの瞬きする睫毛の一本一本がはっきりと見える程の距離に津軽さんの端正に整った綺麗な顔があった。


津軽さんの視線とぶつかる。


昨晩の津軽さんとの事を思い出して、恥ずかしさで俯いてしまった。


津軽さんに抱き寄せられて、息が詰まるをどぎゅうっと抱き締められる。


自分が、裸のまま、津軽さんの肌に抱き寄せられ密着している事が、酷く恥ずかしくて、照れ臭い。


「苦しいです。津軽さん....」


そう言って、着る物を探そうとしていると、


「今日、俺達休みだから」


津軽さんの言葉に一瞬戸惑う。


(え?今日は、わたし達の結婚記念日.じゃあないの?.......え?..............え?................)










(ああ、違う.....、あれは夢だったんだ....)




妙にリアリティのある夢だったので、自分が夢と現実の間を行き来していたとやっと気付いた。


「今日は、久しぶりに二人でゆっくり過ごそう、ウサちゃん」


津軽さんの言葉で、一気に現実に引き戻されると、事件と昨日の事が鮮明に頭に蘇って来る。

【愛の下僕会】の潜入捜査に、テロに、津軽さんが助けに来てくれた事。一緒に施設を脱出して....あの公園にまた行って......そう、そして、昨晩結ばれたのだ。初めて、津軽さんと........。

だけども、仕事の方は大丈夫なのだろうかと思ったわたしは、きっちりと頭の整理がついて津軽さんに聞いた。


「大丈夫なんですか?」


「命懸けで任務完了させたし、大丈夫だよ、明日からは、またしばらく休み取れないだろうし」


わたしは、とりあえず起きようと思って、津軽さんの腕から逃れて、昨日津軽さんに借りたTシャツを探そうとした。



「駄目、まだ、このままでいて」


津軽さんに艶っぽく言われ、首筋に柔らかな津軽さんの唇が、押し当てられる。

顔がカッとして、心臓がドキドキする。



津軽さんは、軽く唇を押し付けた後、わたしの肩に顎を乗せて、黙っている。


「嬉しかったです。津軽さん.....その、津軽さんとこんな風になれて」


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