第14章 貴方の熱 《主人公目線》
ベットに入って来た津軽さんの腕が背中に回って引き寄せられた。
津軽さんのまだ濡れた髪が、頬に当たる。
心臓がドキドキとせわしなく鳴り出す。
「ウサちゃん、緊張してる?」
津軽さんに、耳元で囁かれて、鼓膜が甘く震えた。
「俺も、緊張してる」
津軽さんが、いつもの様に、薄く笑う様な声で言うので、
「嘘っ...」
って、言ったら、ぎゅっと右手を握られて、津軽さんの心臓の上に手を当てさせられた。
「ほら...」
津軽さんの心臓も、わたしと同じくらいドキドキしている。
綺麗過ぎる顔に、鼻先に吐息が触れる程の距離で言われて、目眩を感じる程の津軽さんの色気に心臓が破裂しそうに、バクバクしている。
熱を孕んだ津軽さんの瞳にぶつかって視線が外せない。
「君が思うよりもずっと前から、君の特別になりたかった」
津軽さんの長い睫毛が僅かに震えた。
津軽さんの指先がわたしの髪に、そっと差し込まれて引き寄せられ
唇が塞がれた。
口付けは、角度を替えながら深くなり熱が増す。
息継ぎの合間の津軽さんの吐息が艶めかしくて、わたしの吐息も甘く零れる。
手を握れば、優しく握り返して来る津軽さんの指先。
Tシャツを脱がされ、露わになった肌を津軽さんの舌で撫でられ、指先が素肌を滑る。
背骨に走るぞくりとした痺れ。
硬く莟んだ蕾が丁寧に、ゆっくりと捲られ開花を促すように、身体中に熱を灯されて翻弄され、意識が朦朧としてゆく。
「瑠璃子愛してる」
その夜、
わたし達は、深い部分で繋がった。
お互いの熱を分け合う様に、ひとつになった。