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手のひらの虹 【恋人は公安刑事】津軽高臣編

第6章 思い出の公園 〈主人公目線〉


「ウサちゃん、あの公園まで、後30分くらいかかるけども、トイレ大丈夫?」

海を満喫したわたしを車まで、連れて来ると津軽さんが聞いた。

「はい、大丈夫です!」

「ウサちゃん、本当に大丈夫?助手席でオシッコ漏らさないでよ」

!!

「そんな、幼稚園生じゃあないんだから、漏らしません!」

「はいはい。ウサちゃん、早く乗って、オシッコ漏らさないなら、車出すから」

「オシッコ、オシッコって!津軽さんこそ、大丈夫ですか?」

「俺は、男だから、いざとなると、何処でも大丈夫だろ?あー、ウサちゃんも、田舎の子だから、田んぼの中で出来るね。ごめん、ごめん」

「ひっど。田んぼの中とかでした事ありません。ホント津軽さんは、津軽さんなんだから」

「津軽さんは、津軽さんで、カッコイイのは、当たり前でしょ?」

「わたしカッコイイって言いましたかね?」

「え?じゃあ、津軽さんカッコよくないの?」

「はいはい。津軽さんは、ハニトラの達人で、警察庁中の女の子と
デートするようなカッコ良さです!」

津軽さんは、一瞬目を見開いた。
そして、

「車出すよ」

とだけ言うと、わたしがシートベルトをしたのを確認すると、黙って車を走らせた。

津軽さんは、さっきまでの津軽さんとは、全く違う津軽さんになっている。

(わたし何か悪い事言った?)

「ウサちゃん、ごめん。俺やっぱり、コンビニ寄って、トイレ行って来るよ」

津軽さんは、そう言うと、カーナビで、近くのコンビニを探していた。

わたしの言った言葉のどこが津軽さんをそうしたのか全く分からない。だって、何時もの津軽さんなら、美女と野獣とか、月とスッポンとか、絶対言い出す筈だから。

やっぱり、今日の津軽さんは、どこか絶対おかしいのだ。

しばらく走ると、すぐにコンビニが見えて来た。
津軽さんは、

「じゃあすぐ戻るから」

とだけ言ってコンビニに入って行った。

コンビニから戻って来た津軽さんの表情は、どこか険しい。
わたしは、心配になって言った。

「津軽さん、やっぱり昨日の捜査で寝てないんじゃあ無いですか?」

「うん、ちょっとだけ眠いかな?三十分だけ寝るから、ウサちゃん三十分経ったら起こして」

そう言って津軽さんは、シートを倒すと、わたしの反対側を向いて横になった。


今日の津軽さんは、やっぱりおかしかった。

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