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《イケメン戦国》散りゆく惡の華 ー毛利元就ー

第10章 再会 《元就目線》





「未来…、まだ起きてるか?」


「………っ⁉︎」


「未来?…入るぞ?」


スーー…


秀吉が部屋に入ると、未来が一人窓辺で眠っていた


「未来…?なんだ、寝てたのか…。しょうがないな…」


窓から外に脱した元就は、壁に隠れ秀吉の様子を窺った


(…たく、何しに来たんだ。いや、俺も別に隠れる必要はなかったか…)


「こんなところで寝ちまって…全く。未来、あっちへ運ぶぞ」


秀吉は未来を寝かせた後も、一向に部屋から出て行く気配がない


(なに長居してんだよ。今あいつが起きて秀吉に余計なことを言われたら面倒臭ェ…)


窓から中の様子を見てみると、未来の頭を撫でる秀吉が目に入った


「本当、無事で良かったよ…未来」


その声色は兄貴分だけの感情ではない気がして、訝しげに秀吉の行動を凝視していると、しばらくして秀吉は部屋を出て行った


襖の閉まる音が聞こえると元就は詰めていた息をゆっくりと吐いた


そして視線を自身の手袋をはめている手に移す


普通であれば秀吉のように糸もたやすく誰かに触れたり、触れられたりすることが自分には出来ない


それを厄介だと思うことはあっても、そこまで困ることはなかった


そしてそれはこれからも恐らく変わらないし、変わる必要もないと思っている


それなのに、元就の中に浮かんではもやもやと漂っている得体の知れないこの感情を掻き消すように、葉巻を取り出した


先程、未来と二人で眺めていた月は、いつの間にか雲で覆われてしまっていた


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