第5章 白虹
松本がゴムをつけてる間、体を支えきれなくなり、その場に横倒しに横たわる。
「……はぁ……」
体がドクドクする。
熱い……
久しぶりの刺激は、想像以上だった。
愛も気持ちも何もない交わりと違い、自分が好きな相手と作り上げてく関係性は、準備だけでも涙が出そうなほど幸せに思った。
あそこを晒すのを、恥ずかしいなんて、初めて思ったし。
いまは、ただただ、松本と体を繋げたい。
……ひとつに重なりたい、と強く思う。
セックスという行為を、仕事ではなく、愛がある行為として、上書きしたい。
「……どうしたの?辛い?」
松本の気遣う声に、我にかえった。
横たわる体を、そっと上向かせられて。
松本が心配そうに覆い被さってきた。
「……ほら」
ちゅっと目元にキスされる。
目尻に涙がたまっていたみたいだ。
「……泣いてるよ」
「……う……うん」
俺は、首を振る。
「嬉しいから……」
「え……?」
「おまえと、することが……単純に嬉しいから」
「……泣くほど?」
俺が頷くと、松本は嬉しそうに笑った。