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あなたの幸せ

第12章 12


かかしサイド

ようやく今日はえまの要望を聞いて上げれる。
いろいろ立て込みすぎて、すっかり連れて行くのが遅くなってしまった。
俺は先代火影様たちから順に、えまと一緒にお墓参りをした。


父さんのお墓の前で、えまはもんもんと表情を変えながら手を合わせている。

「そんな父さんに話すことあったの?」

なんて言えば、えまは笑いながらまたしばらく手をあわせた。
見ててあきないなーほんと…と思いながら、最後、香蓮のお墓にきた。

香蓮との日々が思い出される。

俺ができることは限られたことだった。
それでも、君は少しでも幸せだったのかな‥
火影じゃなかったら、もっと君のそばにいれたのに…
俺は…

いっきに後悔と虚しさの感情に飲み込まれそうになった時、香蓮の言葉が聞こえた。

『私がいなくなったら、かかし…寂しいでしょ?その…えまになら、かかしを任せてもいいかなって…』

『かかし。私はかかしのこと大好きだよ。でも私が死んでも私を好きでいてなんて言わない。かかしには、また新しく誰かと人生を歩んでほしいと思ってる。それに、毎日私のお墓にきて、後悔や反省を語られても、私も安心していけないじゃない?』

あー…
俺がどう行動にでるかわかってたってわけね。
香蓮のいうとおり、ここで後悔と反省をだらだらするとこだった。
すべてお見通しってことか‥
ほんと死んでもかなわないな君には…

「行こうか」

そういって、にっこり笑うえまと火影室へもどった。
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