第10章 10
シカマルサイド
えまが大きなため息をついて、またぼんやりしている…
こーうとき、こいつはだいたいめんどくせーことを考えている。
こいつは人のことを優先しすぎだ。
自分のためにもっと考えたらいいものを、だいたいは誰かのために悩んでいる。
だいたいは想像がつく。
こいつの悩みの種といえば、六代目と香蓮さんのことだ。
正直えまがやってきてから、六代目もあまり思い詰める表情をみせなくなった。
仕事もわりかしスムーズにこなしてくれるようにもなった。
さくらから聞いた話、香蓮さんも精神的にえまに支えられてるんだと。
ただこいつが本当に好きなのは、六代目だ。
俺だって火影直轄の側近で、あの二人で話している内容を、暗部とともに気配を消して聞いていた。
だが、ここまでできるか普通。
お前はもっとわがままになってもいいのによ。
はーめんどくせ…
俺まで余計なこと考えちまった。