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乱世に咲く花詞【イケメン戦国】R18

第1章 ひまわり×家康


愛しさがこみ上げてきて、その細い体を強く抱きしめた。
着物じゃない分、いつもより近くに熱を感じる。


「あんた…いい加減にしてよ。可愛すぎるんだけど。」

「そっ、そうかな…?」

「そうだよ。それに、自分が可愛いって事、もうちょっと自覚して。」


伝えながら、腕に力がこもる。俺がちよを可愛いと思うほど、周りの人もきっと同じように感じるはずだから…離したくなくて、誰にもとられたくなくて、苦しくなる。


「みんなが褒めてたのは、服のことだよ。」

「そうかもしれないけど…それだけじゃない。
前にも言ったけど、あんたは他の男に無防備に接しすぎ。」


この愛らしい姿を見られたのも、城で俺の知らない所で楽しげに話しているのも、嫉妬せずにはいられない。そんな自分のどうしようもなさに気づきながらも、思いを止められなかった。


「あんたはこの花にそっくりだ。眩しいのに、目を離せないし、見る人を惹きつける。」

「家康…」

「……ごめん…俺、みっともない。」

「…じゃあ…家康は太陽だね。」

「え…?」

「知ってる?この花はね、いつでも太陽に向かって咲くんだよ。太陽がくれる暖かな優しい光に焦がれて、いつも太陽を見てるの。」

「それって…」



ちよは、俺のことをいつも見てるって言いたいのか?



「っ…だから、可愛すぎるってば!」



嫉妬に駆られていたのが馬鹿みたいだ。この子はこんなにも真っ直ぐに想ってくれている。そんなこと、疑うまでもなかったはずなのに…一人で焦って心を乱して、何やってるんだろう。


俺を瞳にうつして笑うひまわりのように朗らかな顔。俺に好きだと伝えてくれる優しい声。その全てが改めて愛おしくてたまらない。



「ちよ。」

「なに?」

「そんなに可愛いこと言うから、今すぐあんたを抱きたくなったんだけど。」

「なっ!? 何言って…!」


抑え切れないほどの幸福を前に、御殿まで我慢する余裕はもうなかった。
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