第6章 やがて糸は火となり繭となる 2
「え、マジ?
流石ジェイド〜!で、何で見えるようになったの?」
ユウよりも先にフロイドが食いつく。
彼も気になっていたようだ。
フロイドがいつもの癖で、ズボンのポケットに両手を突っ込む。
ユウは「ちょっ!」と声を上げ、フロイドを見上げた。声を上げた彼女はふらふらフロイドの方に身体をよろけさせていた。
「あ、そうだった。ごめんね小エビちゃん」
にこり。
全然申し訳なさそうな表情と声でフロイドが謝る。ユウは何も言わない変わりにジト目で彼を見つめた。
「フフッ。仲直りできたみたいで良かったですね」
「はぁ?別に喧嘩なんかしてねぇけど」
「おや、そうだったんですか?てっきりフロイドが昨日からずっと不機嫌だったので、ユウさんと喧嘩したのだと思ってました」
実際、彼女と会っても話しかけていなかったので。
尖った歯を覗かせ笑うジェイド。
不機嫌そうなフロイド。
ユウはそんな2人をそわそわしながら交互に見つめた。
もしこの2人が喧嘩し始めたらどうしよう。
まだ口喧嘩なら百歩譲っていいが、殴り合いの喧嘩になった場合、フロイドが右手を使った瞬間ユウは大変なことになる。
ユウ終了のお知らせだ。