• テキストサイズ

【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第15章 引き合うさびしさの引力



いよいよ、別れの時がやって来た。
時刻は朝の6時。
朝早い時間ではあるが、彼女と関わりがあった者は皆んな鏡の間に集まっていた。

ユウは部屋を見渡す。
フロイドが、フロイドだけがいない。

ユウは無意識にジェイドとアズールに視線を向けるが、彼らは目を伏せ首を振った。

最後なのだ。
これで。
もう二度と会えないかもしれないのに。
会いに来てくれないんですね、フロイド先輩。
ずっと好きでいてくれるって言ってくれたのに、だから言ったじゃないですか。
フロイド先輩の言うことは信用出来ないって。

「準備はいいですか?ユウさん」

学園長が、闇の鏡の前に立ちながらユウに声をかける。
ユウはそれに頷くと、グリムに視線を向け、蹲み込んだ。

「グリム」

「ユウ〜〜……!」

「立派な魔法士になってね。
その為には、授業中に居眠りしちゃ駄目だよ。約束だからね」

「わ、わかったんだゾ!」

ユウはグリムの頭を撫でてから立ち上がり、エースとデュースを見る。

「2人とも、グリムのことお願いね」

「あぁ、任せとけ」

「お前も、オレたちがいないからって泣くなよ」

エースの言葉にユウは「泣かないよ」と反射的に強がりを言った。
きっと泣いてしまうということは彼女自身わかっていた。





/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp