第3章 White encounter
気持ちは大いに理解できる。できるが、この子は本当に危険がないことを、どうしたら伝わるか、どうしたら落ち着くか。滑らかな白肌に手を添えながら考える。悲鳴にも等しい彼女達の甲高い声に終止符を打ったのは、意外にもハーマイオニーだった。だが、ハーマイオニーもこの子を受け入れた訳ではなかった。
「、ホグワーツからの手紙読んでないの?」
『え?…一応読んだけど』
「それならわかるわよね?ペットとして連れて来ていいのは、ヒキガエル、ネコ、フクロウだけよ」
『そんなこと書いてあったような』
「書いてあるのよ。とにかく、そのヘビ先生に渡しに行った方がいいわ」
そう促され、渋々白蛇を連れてグリフィンドール寮を後にする。ハーマイオニーの言葉に、これでもう安心だと思ったのか、女子たちはふぅ、と息を吐いていた。
確かに1人だけ校則を破るのは良くない。どうやってこの子が女子寮まで来たのか分からないが、先生たちにもこの子の存在は知らせておくべきだ。
「いい夜じゃの」
『う、わあっ!』
角を曲がると目の前に突然現れる人物。自然と落ちていた視線を上げると、優しそうな細い目がこちらを見ていた。今のはかなり心臓に悪かったと思う。なんとか平静を保とうとするが、実際は心臓の鼓動が早いままだ。
『ダンブルドア先生』
「、入学おめでとう。君が来るのを心待ちにしておったぞ」
『……』
全てを見透かしているような、そんな目をしている。心が落ち着く、安心する。そんな感覚だ。
「おお、立派な大蛇じゃ」
足元でゆらゆらと揺れる白蛇を見て、また微笑むダンブルドア先生。その言葉を聞き、本来の目的を思い出す。
『そう!あの、ダンブルドア先生。この子の事なんですが、えっと、私の子ではないんです。汽車に乗ってたらこの子も乗ってきて、追いかけたけど、いなくなって、寮にはいたけど、校則が…』
上手くまとまらず早口で話すと、まるで落ち着かせるように、頭にシワシワの手が乗る。もう一度口を噤むと、ダンブルドア先生は目線を合わせてゆっくり話した。
「、入学許可証は読んだかの?」
『…はい』
「ふむ。フクロウ、ネコ、ヒキガエル以外のペットの持ち込みは禁止じゃ。持ち込みは、の話じゃが」
『はい……ん?』