第3章 みんなの日常 by新
どうやってくっつけるかいろいろ考えたけど、やっぱりイベントごとは必須だと思うわけ。もう逆に、それ以外浮かばないのです。さて、どうしよ。
「新!」
「うぉ!」
急に後ろから話しかけられ、驚いた。
「なんだ、永久ちゃんか。あれ?部活は?」
「終わってるよ。門にいなかったから探しにきたんだ。てか、なにやってんの?」
「作戦会議。」
「作戦会議?」
「あいつらをどうやってくっつけようかなって。」
永久ちゃんは、俺があーでもない、こーでもないっていろいろ書き込んだルーズリーフを覗き込んだ。
「ねぇ、それさ、上から全部『花火大会』じゃん。」
そうですとも。
やっぱり花火大会だよなって思って書く。でもダメだって思って上からぐしゃぐしゃって書く。それでもやっぱり花火大会だよなって思って書く。でも、って思ってぐしゃぐしゃ。…………の繰り返しです。
「永久ちゃん。俺はやっぱり花火大会だと思うんだ。ってことでさ、どうにかして日向ちゃん誘ってくんね?俺は頑張って朔斗誘うからさ。」
「でも、その日は部活が。」
「終わってからでもいいじゃん。もう出店とかいいから、とりあえず花火見ようよ。それじゃダメ?」
「いいとは思うけど、疲れてて行けない的なこともあり得るよ?」
「そこをなんとか!」
「ってかさ、ただ単に新が花火大会行きたいだけじゃね?」
やべ、バレた。
「そ、そんなことはない!俺は朔斗のためを思ってだな。」
「めちゃくちゃ動揺してんじゃん。隠せてないけど。」
「動揺なんてし、してないし?なに?俺が行きたいだけって?」
やばい。本当に動揺しまくり。まさかバレるとは…、
「まぁ、別にいいけどさ。あれっしょ。4人で行くってのを装って、向こうで2人きりにさせたいんでしょ。つまり、あたしはあんたと2人でまわんなきゃいけないのか。」
「いいじゃん。俺と2人嫌?」
ちょっとふざけて聞いてみる。
あぁ、殴られそう笑
「まぁ、あんたと2人も慣れたし。案外楽しいかもね。うん、いいよ。日向誘ってみるよ。新も相島誘うの頑張んなさいね。」
「……あ、うん。」
意外な答えだったんで、反応が遅れた。
なんか、永久ちゃんってこんな人だったっけ?
って、これ永久ちゃんに失礼か。