第6章 従順※
「あなたが他の男の所に逃げて行ってしまうかもしれないので…」
逃げられないように縛っておきましょうか、
と安室さんは自分のネクタイを外して私の両手を頭上で縛った。
「いや…」
「いや?大丈夫ですよ、そう言ってられるのも今だけですから」
そう言うと安室さんは私の髪を優しく撫でた。
「この髪もあの男に触らせていましたね…」
彼は私の髪を一束手に取ってそこにキスを落とした。
そして額、瞼、鼻へとキスを落としていく。
唇へとたどり着くと彼の指で形をなぞられる。
チュ
彼は触れるだけのキスをした。それも一瞬。
激しいのかと思った
予想と違ったキスに少し物足りなさを感じたのは気のせいだと否定した。
彼の指は首筋をつつーっと滑る。
「んっ…」
それが擽ったくて思わず首を傾けた。
そして彼の指が私の胸の間へと下りた。
そこで指が止まったかと思うとガバッとドレスを腰まで下ろされた。
「きゃっ…」
思わず元に戻そうとするが手首を縛られ自分では今の状況を何も変えられないことに虚しさを感じる。
ドレスの下には下着だけ。
彼は下着の上から私の乳房を揉む。そして突起の辺りを上からさわさわと円を描くようにしてなぞる。
「あっ…」
直接触れないもどかしさ。しかも中心には触ってすらくれない。
直接触ってほしい…
私は足を擦り合わせた。
彼は馬乗りの状態から体を前に倒した。
ギシッとベッドが音を立てる。
そして、私の耳にかかった髪をそっと払った。
ふーっ
「ああっ!」
彼は耳に息を吹きかけた。
そして耳朶を甘噛みし舌先を耳の奥まで入れられ激しく動かされる。
耳元でピチャピチャと音が鳴る。刺激が脳の奥まで響いていた。
「あっあ…んん、やぁ…ぁ」
ゾクゾクとする刺激に思わず身体がピンと張る。
その瞬間に彼は上の下着をずらした。
露わになるピンク色の突起。
それは存在を主張するかのようにピンと勃っていた。
「あれだけの愛撫でこんなに勃たせて…
やっぱりカホさんって変態なんですね」
彼は意地悪な笑顔を浮かべた。
やわやわと彼の手が乳房を掴み形が次第に変形していく。