第29章 初めて※
降谷にとってカホの元彼が赤井と言う事実は心臓を鷲掴みにされたかのように苦しくて、許せなくて、嫉妬でおかしくなりそうで
カホを抱いている時も優越感を抱くと共にその背後には赤井の姿が浮かんでしまう
あいつはどんな風にカホを抱いたのだろうかと
今までは存在が分からぬ過去の男の姿に嫉妬するも自分がそいつに負けているという感覚は無かった。
けれどそれが赤井だと分かった途端、気持ち悪いぐらいに胸に纏わりつく敗北感という文字
それはかつて自分が赤井と同じ場所で過ごして感じ取った、どこか余裕な雰囲気と何を考えているのか分からない冷酷な瞳
しかしそんな男も心には愛する1人の女性がいて、その瞳には彼女の明るい笑顔を映して
あの時も、赤井は既にカホの存在を知っていた。
自分の知らない2人だけの過去が、自分が介入できない時間が
苛つく
「アッアッアッん…ふるっ…や…さ…ンアアッ…!アッ…ハアッ…」
その声も美しい裸体も、全て自分のもの。
「あっ…ンアアァァァ…!!はァ…はぁあっ…んアッ!ダメっ…もっ…んアッ…アアッ…!」
その瞳に映るのも、自分だけでいい。
他の男なんて映さなくていい。
赤井にだって、本当は会って欲しくない。
それが今後自分達の関係を変えていくと分かっていても
会わせたくない、今のカホを、こんなにも美しいカホを
「あっあっあっ…んアッ…!また…アッ…イクッ…イっちゃ…んァァァ…!」
「カホ…」
「もぅ…ホントに…っアッんッ…ハァッ…ンあっあっあっ…ダメって…あああっ…!」
もう何回イったのか分からない。
ずっとイっているかのようにカホの膣内はビクビクと震えて降谷の陰茎を締め付け続けている。
降谷の心の中には歪んでいる程のカホへの執着心と独占欲。
今まで秘めていたカホへの愛情と、見えない男への嫉妬。
それらが溢れて、ドロドロに交わって
愛おしくて、愛おしくて、でも胸はどこか苦しくて、けれど幸せで
「…っ、はぁ…」
射精感が込み上げて、降谷は素早くカホの膣内から陰茎を抜くと白濁とした精液をカホのお腹に吐射した。
虚ろな瞳の2人は月の光が差す部屋のベッドでそっと口付けをした。