第81章 登場人物
桜ハカナ
23歳
元水柱。
理系の大学院生。機械系を学んでいる。主に航空関係。
紙飛行機好きが転じて飛行機好きに。いつの日か鳥になるコンテストを生で見たい。
小柄で可愛らしい見た目だったが、前世で「成長期はこれから」と豪語していた通り今は実弥より背が高い。
前世では鬼になる薬を開発。しかし、天晴はそれを疑っていたよう。霧雨阿国の存在も隠していたりとたくさんの秘密を抱えたまま死んでしまった。
珠世の存在は自力で見つけ出し、彼女の事情を知り心から同情した。愈史郎からはずっと睨まれていたが、ずっと朗らかに接して、最後の最後までそうしていた。
茶々丸からは懐かれていて、たくさん抱っこしたり撫でたりしてやった。実家で猫を飼っていたからか、随分と嬉しそうに相手をしていた。
鬼の二人に当てた遺書↓
『珠世さん、愈史郎さん。
何があっても、生きてほしい。
鬼でも生きて、思いを、つないでほしい。
たとえ二人のどちらかが死ぬことになっても、生きたどちらかには生きてほしい。
僕ができなかった“生きる”という行為を、全うしてほしい。
霧雨という、信頼のある人をあなた達に紹介するから、どうか最後までよろしく。僕の薬で鬼になるかもしれない女の人です。
薬のことは、話した通り。無惨を倒すその日まで、彼女を生かしてほしい。お願いです。彼女は、希望の一つだから。
最後に。
しつこいけど、本当に生きてほしい。
死なないでほしい。
諦めないでほしい。
僕は随分昔に、平和に生きていくなんてことは諦めて、死のう死のうと生きてきたから、どうかそんなことはしないでほしい。
生きてほしい。
どうか、無惨がいなくなった、平和な世でも。
生きてほしい。
ハカナ』