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キメツ学園ー未来編【鬼滅の刃】

第23章 前世の記憶ー青い目ー


「始まりの剣士の子孫ですか」


お館様が私を呼び出して何事かと思えば、存外つまらない話でした。


「彼は時透無一郎。鬼に襲われ、記憶がないんだ。」


お館様の隣に座る、どこかぼおっとした少年は私を不思議そうに見つめていました。


「、君にこの子を頼みたい。継子として面倒を見てほしいんだ。」

「お断りします。」


私はそこで立ち上がり、部屋から出ていこうとした。

するとぐっと後ろから引っ張られた。


「何です?」


少年が私の隊服を引っ張っていました。


「お願いします。僕は鬼殺隊になりたいんです。」


そこにははっきりとした意思がありました。記憶がないのは本当のようです。

けれど、鬼への恨みだけがその小さなからだの奥底にあるようでした。


「勝手にどうぞ。」


私はそのまま本当にその部屋を出ました。
だけれど、男の子は私の隊服をまだ引っ張っていました。


「お館様、なぜ私なのですか。」


根負けして、お館様に尋ねた。


「無一郎は、に必要な存在だと思ったからだよ。」


お館様が微笑む。

私は目の前のすがり付くような少年の眼に、吸い込まれそうな気がしました。


空の青でも海の青でも、どんな美しい焼き物にもその色はなかった。

青だった。青と言っていいのかわからない。けれど、青としか言いようがない目だった。

その目に全てを奪われた。美しいのか綺麗なのか段々わからなくなった。

その青い目は、なにかを私に訴えるようで、まるで心臓を掴んで離さないような感覚になりました。

 
その青い目が、私を粉々にして八つ裂きにするほど、じっと見つめてくるのです。


結局、私はお館様に従い、結果としては彼を連れて帰り、継子として迎え入れました。


だけれども、その青い目が、私を見つめてくると、少し不安になりました。









































本当に、この子にとって、この道を行くことは良いことなのかと。
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