リセット~running start again~
第1章 再会
私はおじいちゃんに頼まれた荷物を取りに家へ清瀬君と一緒に歩いていた。当たり障りない他愛ないをしていた。
「こんなところで会うとは思わなかったよ。まさか清瀬君がおじいちゃんのところの寮生だとは知らなかった。」
清瀬「そうだな。4年ぶりくらいか?も寛政大学に通ってるなんて知らなかったよ。どこの学部にいるんだ?」
(4年ぶりか・・・まぁ、同じ学校、部活でもほとんど話す機会はなかったし。最後の年はこっち来ちゃったし。大学は広いから清瀬君がいるのは知らなかった)「そんなに経つね。看護学部にいるよ。」
清瀬「そうか。俺は文学部にいる。で、さっきいたメンバー達と共に箱根駅伝を目指しているんだ」は意気揚々と私に告げた。
「はっ、・・・箱根!?」と驚いてすっとんきょうな声をあげてしまった。
清瀬(大学に入学したとき、#NANE2#の姿を見た気がした。あれは気のせいではなかった。ずっと声をかけたかった。でも、勇気がなかった。あの時の俺には)「あぁ。箱根駅伝だ。そこでだ。#NANE2#に、副監督兼マネージャーをやってほしい!!」
そんな清瀬君の発言に驚き、様々な思考を巡らせる私であった。そうこうしているうちに、家まで着いた。真っ直ぐ淡々と清瀬を見つめ、
#NANE1#「やらないよ。私はもう、陸上はやめたの。」
「ここなんだね、案内ありがとう。助かったよ。お礼はまた今度させてね。」といい用件を済ませに入った。
清瀬「あぁ。またな。」
(#NANE2#の洞察力とマネジメント能力は欲しい。それに、ずっと一緒にいたかったんだ。)
春先の暖かい風の昼間とは違う、夜のもうすぐ雨になりそうな湿気った風が吹いた。