第15章 【特別編】甘え日和。
ゴクリと喉を上下に動かした俺は、歩の手首を掴み路地裏に引き刷り込んだ。
もちろん歩の足には十分注意をして。
「真澄も完璧に興奮してるね…」
「…うっせ」
どさっと地面に乱雑に荷物を落とすと、壁際に歩を追い詰めて唇を重ねる。
性欲を完全に煽られてしまった俺は、先程の怒りも災いしてか歯止めが効かなくなっていた。
ちゅ…ちゅく、…ちゅ。
互いの唾液が混ざりこぼれ落ちる。
荒い息の中で何度も唇を重ねお互いの熱を共有する。
「はっ、あ…真澄っ、もっとぉ…」
俺の首に腕を回した歩が懇願するように舌を絡ませ、深くまで口内を犯していく。
「んんっ!…はっ、はぁ…歩っ。あんっ!」
口内を犯していた歩の手が俺の下半身に伸び、思わずびくりと反応して唇を離す。
互いの舌を結ぶ銀の糸がキラリと夕日に反射した。