第12章 【番外編】君の隣で。
“まっすん、無理しないで…”
“無理なんかっ…してねぇっ!”
嘘つき。
抱きしめた俺の腕の中で震えるまっすん。
本当は抱かれたいなんて思ってないくせに。
“…汚された体で妹くんに会いたくないでしょ?”
まっすんの耳元でそう呟くと、ビクッと彼の体が小さく跳ねる。
それはもう俺の言葉を肯定している事と同じだった。
しばらく俺の中でじっとしていたまっすんがぐっと顎を引いたのが分かる。
“お前とヤって、汚れるなんて…俺は思ってない”
お前は綺麗だ。と続けたまっすんの口を塞いでしまいたい衝動に駆られたが、俺はそれをぐっと抑えた。
……何人もの女と男を抱いてきた俺を綺麗だと言うの?
まっすんは変わってる。
だからこそ、俺の手で汚したくない。
最初は無理矢理にでも…と思っていたのに、なんて矛盾した感情だ。