第12章 【番外編】君の隣で。
「…………」
真っ暗な部屋の中。
暗闇に慣れた俺の瞳は、隣ですやすやと寝息を立てるまっすんの姿を捉えていた。
閉じたまぶたにかかる前髪を指先で軽く払ってやり、覗いたおでこにちゅっと小さなキスを落とす。
……まっすん。
風邪を引かないように素肌が隠れるくらいまで布団を引きあげてやると、ん…と小さくまっすんが身じろいだ。
俺が…まっすんに惹かれ始めたのはいつだったか。
それはもう遠い記憶のように感じる。
初めて会った時は、その整いすぎた容姿に嫉妬を覚えたものだ。
この関係が崩れてもいいと思った。
君をこの手で抱く事が出来るなら…。
嫌だと言っても押さえつけて、最後までヤってやろうと思っていた。