第11章 honey.11
お前だけを感じている。
「ほら…全部入った」
絶対に入らないと思ったそれが全て俺の中に入っているその事実に、体が震える。
「ぁっ…あ…」
「キツいね…動くよ?」
ソファーにゆっくりと俺を横たわらせた歩は、覆いかぶさるようにしてぐっと体に力を入れる。
最初はゆっくりと…そしてだんだんと早く。
「ふぁっ!…あっあ!!んぁっ、歩…っ!」
「はっ、真澄っ…!」
体が熱い。
一つに繋がった部分が溶けていきそうだ。
激しく腰を動かしながら、歩は俺の手首を縛っていたネクタイを外すと、そこに口づけを落とす。
やっと自由になった手で歩の手を掴む。
掴んでいないと堕ちてしまいそうで。
「歩っ、歩っ…!!あっ、ああっ!!」
「真澄っ…!んっ…」
無意識に何度も歩の名前を呼び、失ってしまいそうな意識の中でその存在を確かめた。
激しく感じる快楽が…与えられる快楽が…全て歩からだと言う真実を痛いくらいに感じていた。