第1章 ユビキリ【参輝×武政】
《参輝視点》
今日はひよちゃんに誘われてご飯を食べに行っていた。珍しく酒に手を出さなかったので早めに御開になった。
家に着いてドアを開けると武政の靴がだらしなく脱ぎ捨てられていた。
「武政〜?起きてる?」
そう言いながらリビングに行くがそこに武政の姿はなかった。
もう寝たのかと思って寝室に向かう。ドアは閉められていて、中からの音は聞こえなかった。ゆっくりとドアを開けて入ると武政の泣き声が響いていた。
俺には気づいていないようなのでゆっくりと近寄り、触れられる距離になって、後ろから抱きしめる。それに気づいた武政は弾かれたように顔を上げた。