第10章 ※雷が結ぶ夜※
達したばかりの花弁を露にして吐息を吹き掛ければ、物欲しげにヒクリと震えた。
「此方も忘れたら可哀想だ・・・」
蕾に蜜を絡ませ、指で挟んで擦り上げる。
滑りがよくなった蕾を執拗に弄られ、キリカが腿をガクガクと震わせた。物欲しげに綻んだ花弁から蜜が滴り落ちる。
「もっと乱れろ・・・、おまえの可愛らしい声を聞かせろ・・・」
「ひぁっ、んっ・・・、あぁっ・・」
黒死牟の低く、艶気を帯びた声音に精神まで犯されているような気分になる。
「良い声だ・・・。もっと感じさせてやろう・・・」
さんざん弄られ続けた蕾は硬く屹立していた。黒死牟は指の腹で強く擦り上げながら、花弁に舌先を潜り込ませた。
「ひぁっ、あっ・・・」
舌先で抉るように激しく上下されると、キリカは凄まじい愉悦に身悶えした。
「あっ、んぅっ・・・、あぁっ・・!」
指で、きゅっと蕾を挟まれた。痺れるような快楽に敷布を強く掴んだ。喉の奥から嬌声を上げる。二度目の絶頂がキリカの身体を駆け抜けていく。
「そんなに良かったのか・・・」
「・・・っ、苛めすぎですっ・・・」
上半身を支えていた腕から力が抜ける。褥に突っ伏すと、キリカは涙を吹きこぼした。
「何を言う・・・。滅茶苦茶にしてくれと言ったのは・・・、おまえではないか・・・」
「・・・・・」
「さぁ・・・、キリカ・・・」
夜着を脱ぎ捨てた黒死牟がキリカに覆い被さった。綻びた花弁に、慣れた手つきで先端を宛がった。
「あんっ・・・、」
ずっしりとした質感のものがキリカの胎内に沈んでいく。
キリカは甘美な溜息をつきながら黒死牟を迎え入れた。首と背に手を回す。
愛する人を受け入れる瞬間は、一際、胸が高鳴る。
「巌勝様・・・」
「キリカ・・・」
どちらからともなく口付け、一部の隙もなく身体を密着させた。
キリカの熱く蕩けた胎内に包み込まれると、黒死牟はいつも直ぐに達してしまいそうな快楽を覚える。まるで女を知ったばかりの童のようだと苦笑した。