第13章 ※宵の宮・雨月夜の契り※
「・・・、・・・・」
絶え間のない快楽に悶えぬいたキリカは力なく横たわっていた。乱れた前髪から虚ろな眼差しが覗く。
「これ以上・・・、焦らしては流石にかわいそうだな・・・」
花弁に、いきり立ったものを宛がう。ゆっくりと腰を押し進めた。
絶頂の余韻に浸る花弁は易々と奥まで呑み込んでいく。最奥まで充たされたキリカは甘い声を上げながら黒死牟にしがみついた。
「巌勝様っ・・・、あっ・・・、はぁっ・・・」
黒死牟はキリカの細腰をがっちりと掴むと、激しく穿ち始めた。
「んぅっ・・・、あ、あっ・・・」
性急な動きに、キリカが白い喉をさらした。抜き差しする度に快楽が増していく。溢れた蜜が、ぐちゅりと音を立てた。
恥ずかしい。声が、音が他の人に聞こえてしまうかもしれない。
けれど。もっと、激しくしてほしい。何も考えられなくなるほど滅茶苦茶に。
理性と欲望。相反する思いを抱えるキリカの身体は愉悦の波にじわじわと飲み込まれ始めていた。
「いつもよりも・・・、感じておるようだな・・・、そんなに悦いのか・・・?」
キリカの身体を深々と貫きながら黒死牟は艶やかな囁きを落とした。そのまま、耳朶を舐め上げる。
「もっと聞かせろ・・・、お前の声を・・・」
「んっ・・・、あ、あぁっ・・・」
「もっとだ・・・」
黒死牟はキリカの膝を掴むと、肩につくほど身体を折り曲げさせた。最奥を押し上げるように腰を動かし始めた。
「此処が・・・、弱いのであったな・・・」
「・・んあぁっ、はぁっ・・・」
奥の奥まで抉られ、キリカが大きく目を見開いた。あられもない声を上げ、淫らな欲に身を任せる。