第4章 「出口を探そう」
─創─
さっきから扉を押したり引いたりしているが……全くビクともしない。
俺は、坩崎の方を見て言った。
「鍵………使えないか?」
まだ、坩崎の手にはあの扉に使う鍵を持っていた。坩崎は、頷いて鍵穴にさす。しかし………。
「先輩、ダメです!開きませんッ!」
「っ!!!」
あの扉の鍵でさえ、開かない………。とても、最悪な状況となった。俺は、歯を食いしばる。
「もしかしたらの話だが………裏口存在しないか?」
剛が、静かに言った。俺は、剛の方を見て震える声で言った。
「裏口?」
「あぁ、可能性の話だが………。あると考える。探そう!裏口を!!!」
剛の提案に、俺と坩崎は頷き、洋館の周りを歩き始めた。