第3章 「行き先には、何がある?」
─柚菜─
渡邉先輩と色々調べていたけど、これ以上良い情報が見つからない。やはり、色々謎のままだった。
唯一わかったのは、ここの宿主と娘さんの名前だけだった。それ以外、何もわかってない。
「先輩、そっちはどうですか?」
私が、先輩に質問すると先輩は、首を左右に振る。どうやら、ハズレみたいだった。
私は、先輩にそうですか、と答える。すると、遠くの方からガタガタという音が聞こえてきた。
それも、扉の方からだ。私は、振り向きその扉を見る。扉は、ガタガタと激しく動く。
これは、まさかのパターンだった。私の体は、カタカタと震え始める。
先輩の顔色が、変わった。そして、一度激しくなった扉はおさまった。私は、フゥと息を吐いた瞬間。
ガシャン!と大きな音を立てて、扉を突き破る。そこには、動く鎧のモデル。
鎧のモデルは、キョロキョロと周りを見る。まだ、此方には気づいていなかった。
「梭業、お前はこの奥にあった僅かな隙間に入って隠れろ。俺は、アイツを引きつける。」
「えっ……?」
私は、先輩の言葉に驚いた。