第7章 「***********」
そして、2人は消えていった。周りに居た犬達は、動かなくなりその場で崩れていった。
私達は、お互いの顔を見た。夜利他先輩は、笑顔で答えた。
「さぁ、帰ろう。俺達の街へ。」
私達は、元気よく頷き洋館を出た。
はっきり言って、あの洋館の出来事は怖かったけど、澪香ちゃんが家族に再会して良かったと、心の中で思っていた。
だけど、何故澪香ちゃんを置いて此処から離れたのだろう、とは疑問に思っていた。
すると、春がこんな事を言い出した。
「ずっと前のニュースだけどね……。ある家族が、少女を置き去りにして出掛けたていう話聞いた事あったの。」
「まさかと思うが……。」
渡邉先輩は、苦笑しながら言った。私もまさかとは思った。
春は、頷いて言った。
「今回の出来事ではっきりしたよ。その家族が、置き去りにした理由は……。恐らく、その余命宣告された少女を元気付ける為に、何か買いに行ったみたいだけど………。」
「帰りの途中で、事故に合い。帰らぬ人となったと?」
渡邉先輩は、そんな事を言うと春は、頷く。可哀想だけど、澪香ちゃん…皆と再会出来て良かったね、と私は空を見上げるのだった。
その数ヶ月後………私は夜利他先輩から告白されて、付き合うようになり、幸せを手に入れた。
私は、今でも忘れないあの洋館での出来事を………。
私は、学校の屋上に行き空を見上げる。
「澪香ちゃん、生まれ変わって幸せを手に入れてね?そして、私と友達になって欲しいな。」
私は、満面の笑みを浮かべながらそう言ったのだった。
→HAPPY END 「永遠の幸せ…」