第1章 プロローグ
ーザァァァァァァー
(ここはどこ・・・?!え、さっきまで私・・っ)
雨が降りしきる森の中、呆然と佇む少女が1人いた。
(雨なんて、さっきまで降ってなかった・・・それに自転車に乗っていつもの道を通ってたはず・・なのに、)
辺りは薄暗く、今自分がいるのは木が生い茂る森の中。
自転車はなく、手元には漕ぐ時に背負っていたリュックが一つだけが存在する。
そしてなによりー
「おいっ!あいつはまだ見つからないのか?!」
「はい、ですがあの怪我ではそう遠くでは行けないはず・・・捜索人数を増やし、一刻も早く見つけましょう!!」
(なになになに!!ずっと遠くから何かを探す叫び声が聞こえてくる・・・。)
今のこの状況が分からない上、変な事に巻き込まれてはたまったもんじゃない。
そう考え、涼香は声とは逆方向へ進み始めた・・・