【読切短編】ルール ルーム 〜◯◯しないと出られません!〜
第2章 カカシ先生といっしょ
ぅ…。私は、眠っていたのだろうか。
なんだろう…急に眠気が襲ってきて 意識を失ってしまった。
あれからどれくらい時間が経った?
なんとか、夢と現実が区別出来るくらいには意識がハッキリとしてきた。
そして目を開くとそこには……
「あ、起きた?おはよ♡」
『っっ!?なぁっ!カっ、カカシ先生!?』
目の前に、カカシの顔面があった。
寝っ転がったままの私の上に、なんと彼が覆いかぶさっているではないか。
『なっ、なにしてんですかアンタっ///』
私は思わず男の腹をゲシゲシと蹴る。
「い、痛い!痛いよやめて、」
『ならさっさと退いて下さい!離れて下さいよーー!』
「ちょ、ほんと暴れないで、俺だって出来るものならそうしてる!離れられないからこうしてるの!」
『……え?』
私の真上から降ってくる声は、真剣そのものだった。
それを聞いて初めて 私は辺りの異常さに気が付いた。
左を見ても、白。右を見ても、白。
さらには、カカシの向こう側に広がっている色も…白だ。
『な、なにこれ』
さらに、驚くべきはその部屋の狭さ。
いや、これはもはや 部屋というよりは…箱だ。
足は伸ばせないし、頭上にも壁が当たっている。
両腕を広げるスペースすら無いのだ。
「ね、分かったでしょ?俺が君の上から動けない理由が」
たしかに…。この狭さでは カカシと離れる事はおろか、立ち上がる事すら出来ないだろう。
彼の背中も、もしかしたら壁に当たっているのかもしれない。
カカシはなんとか両腕を伸ばし、私の顔の横に手の平をついている。
それが私と彼の、精一杯広げた距離のようだ。