第8章 チビ太救出!
「○○ちゃん…!てやんでぇ、バーロー!みんな、おいらがいないと駄目だなぁ!おっら!」
チビ太が頭突きを食らわすと処刑台が崩れ落ちた。
「けっけっけっけっけ!おいらの石頭に敵う物なんざ、この世にねぇんだよコンチクショー!」
そして一人の貴族を指差した。
「やい!よくもおいらを捕まえやがったな?!おかげで今まで素性を明かさなかった船長たちに、迷惑がかかっちまったじゃねぇか!この落とし前はきっちりつけてもらうからな!てやんでぇ、バーロー、チキショー!」
「ひっ!ひぃいいい!」
「鳥ども!あいつをウンコまみれにしてやれ!着てる服もボロボロにして、二度と人前に出られねぇよいにしてやれ!バーロー!」
チビ太の声に応え、鳥たちは一斉にその貴族に糞を落とし、服をくちばしや爪でボロボロにしてしまった。カラ松が場内に響き渡る声で告げる。
「いいか、お前たち!今まで俺はずっと、身分を偽って街を巡っていた。だがそれも終わりだ!俺たちオザーキ海賊団は、海賊として正々堂々と生きていくことをここに誓おう!それと、これだけは言わせてもらう!俺たちオザーキ海賊団は誰一人として殺しをしたことはない!誘拐?そんな卑怯な真似はしないし、婦女暴行などもっての他だ!むしろ誘拐して奴隷として売りさばいてるのは、貴族たちだろう!街の裏手に行ってみるがいい!俺たちが襲うのは、貴族だけだ!庶民がいなければ生活もできない能無しどもめ!庶民の怒りを思い知るがいい!」
カラ松が指を鳴らすとその場にいた動物たちが貴族めがけて突進した。
「うわあああ!」
「きゃあああ!助けてー!」
「海賊よりもこっちを優先しろ!」
貴族たちの怒号の中、オザーキ海賊団は意気揚々と処刑場から出ていった。
「あ。爆竹使い忘れてた」
「ええ?何やってんだよ、シコ松!適当にあいつらに入れとけよ」
チョロ松はおそ松に言われた通り、爆竹に火をつけて右往左往する貴族たちに放り投げた。ババババババババ!凄まじい爆音に驚き暴れる馬、さらに混乱する貴族たち。そんな連中を庶民は大笑いして見ている。
「この国も腐ってるな」
「貴族が腐ってるもの。仕方ないわ」
「そんな貴族ばかりではないんだがな」
「そうね。でもそんな人はそうそういないわよ」
同じ馬に乗ったカラ松と○○。後ろから十四松が追い付く。
