第8章 二日酔い
すごくじっと見られてる。
これ、バレたらヤバいよね……。
江「うっっ……。
昨日のこと覚えてないんだっけ…?」
『うん…。』
よし、話を変えれたかな…?
江『えーっと……。話した方がいい…?』
(コクッコクッ)
すごく頷くな…笑
江「後悔しても知らないよー?」
えっ後悔するの僕じゃないか…?
昨日の出来事を全て話した。
『それ以上はしてない……よね?』
僕は顔が暑くなった気がした。
そして頷くと
『良かった……。』
良かった……?
それって僕としたくないって事?
不安になって聞いてしまった。
あ、ちょっと怯えている。
『違う!!そう言う意味じゃなくて……。』
江「じゃあ、どういう意味…?」
『初めてなのに記憶が無いとか……嫌だ…///』
えっじゃあもしかして…。
江「キスも……初めてだった?」
彼女は頷いた。
理性を保てなかった自分に腹が立った。
江「ごめんね!」
そう言って頭を撫でてギュッと抱きしめた。
その時、彼女のお腹が鳴った。
少し恥ずかしそう…笑
さっき作ったカレーを温め直して彼女に食べてもらった。
すごく美味しそうに食べるから思わず見とれてしまう。
食べ終わって満足そうにしている彼女を見ているとキスしたくなった。
だから嘘をついたんだ。
江「口の横カレーついてるよ。」
慌てて口元に手を持っていくから近づいて手を退けた。
小さい彼女は立ったままだとキスしにくいから屈まないと…
チュッ
やっぱり彼女は驚いていた。
江「キス……覚えてないって言ってたから……。
ダメ……だった?」
人生でほとんどした事のない上目遣い。
少し恥ずかしかった。
『ダメじゃ………ない…//』
そう言ってまた顔を赤らめた。
普段の彼女とは少し違った顔が見れて僕は嬉しかった。
もっと他の顔も見てみたい。
なんだか僕の別の顔が現れた気がしたけど、気にしないでおこう。
この別の顔が後に彼女を困らせる事になろうとは……。
でも、それはまた別のお話。