第4章 先輩の意外な一面
『先輩?』
あまりにも長い時間固まっているものだから少し心配になって声をかけてみると、グイっと抱き寄せられた。
『えっ、先輩どうしました…?』
日「すみません、少しだけこのままでいさせてください。」
そういって私の肩に頭を預けると、
日「……っ」
『先輩泣いてます!???』
日「罵倒される事はあっても、好きだと言われたことはあまりないもので…。
こんな私を好きになってくれる人に出会えるとは思っていませんでした。」
『あなたを理解して好きでいるのは私だけで良いって思ってしまうのはいけない事でしょうか?』
先輩は顔を上げてしばらく私の目を見つめたまま少し考えた顔をして
日「いけないことではありませんよ?嬉しいです。
私はあなたの日々樹渉ですから」
『……っ///』
日「おや、泣かせてしまいましたねぇ。女性の方は難しいです。」
そう言いながらもすごく嬉しそうに、楽しそうに笑っていた。
その笑顔を一番近くで見たい。
そんな欲ばかりが湧いてくる。
(完全に束縛しちゃうタイプだ…。)
また3日後に!と別れ帰路についた。
帰ってからずっと上の空だったことは言うまでもない。
そんな中あっという間に3日がすぎて…
今日は部活があったのでもう外は薄暗かった。
先輩がどうしても夜景が見たいと前回遊んだ時から言っていたので、今日は夜景を見ることになっていた。
が!誰が気球に乗って見るだなんて想像しただろう!
でも、何も遮る物が無くてきれいだ。
いつもこんな景色を見ているのかなと思うと羨ましくなってくる。
日「きぃさん。」
『はい!!』
いきなり話しかけられてちょっとびっくりした…!
いつもうるさいぐらい話している人が今日は静かで不気味だ。
日「改めて、私とお付き合いしていただけませんか?」
『えっ…///』
日「…///返事はまた今度でも…っ!」
『私があなたの事好きだって知ってるくせに断るとでも思いました!?』
思わず抱き着いてしまったけど、今はそんなこと関係ない!
『YES以外に答えなんてあるわけ無いじゃないですか!!』
日「…っ!すみません、だから泣かないで…。」
すごく優しい声。そして…。
『初めてタメで話してくれましたね…!』
こうして無事に私たちはお付き合いする事になりました。