第15章 空腹スカベンジャー!【Ruggie】
監督生はスマホ片手に迷っていた。
今夜のメニューはハンバーグか、オムレツか、生姜焼きか、シチューか、はたまたその全部か。
というのも、オンボロ寮の冷蔵庫の中に期限切迫の食材が眠っていたからであった。
ナイトレイブンカレッジでは、生徒たちは学園に登校してから朝食を食べるし昼食も学食で食べる。
が、夕食や夜食は各々寮に帰ってから好きに料理して食べるのだ。
スカラビア寮のように皆で食卓を囲む寮もあれば、イグニハイド寮のように一人一人が好きな時間に好きなものを食べたり、食べなかったりする寮もある。
オンボロ寮はというと、当然グリムは料理ができないので監督生が自炊をし一緒に食べる。
食材の買い出しも彼女が行う。
今週もミステリーショップにて肉やら魚やら卵やら、1週間分の食材を買い込んでおいたのだけれど。
…ありがたいことに、監督生は他の寮の人たちから夕食を一緒にどうかと誘われることが多くなってきた。
そのため今週はハーツラビュルに招待されたり、モストロ・ラウンジでご飯を食べたりした結果、使う予定だった食材が余ってしまったのだった。
彼女はどうにかして今日中に冷蔵庫の中身を消費しなくてはならなかった。
まあしかしグリムの胃袋はブラックホールのようだから、心配は要らないだろうとタカをくくっていた。
なのに。