第13章 夢枕ララバイ!【Riddle】
リドルは寝てしまった彼女の胸まで、布団を掛けてやる。
「バラは赤い。スミレは青い。お砂糖は甘い。」
眠る監督生のおでこにそっ…とキスをする。
ちゅっ、と可愛らしい音を鳴らして。
「そしてキミも、とびきり甘いね」
くるくると、その髪を指に巻き付けてみる。
頬杖をついて、寝顔を見つめる。
本当に彼女はお砂糖とスパイスとでできているんじゃないか、と思う。
キミは甘くてちょっぴりスパイシーた。
「ボクだって、恋人に甘い言葉のひとつくらい言うものさ」
彼女を見ていると紅茶に砂糖とミルクを入れた時のように、心が、甘く溶けていくような気分になる。
「ボク以外の前でそんな顔をして眠られてはたまらないからね。」
リドルは彼女の頬を指ですりっと撫で、一人、満足げに微笑む。
この寝顔を独占できるのは他でもない、監督生の恋人であるこのボクだけ。
本を片付けて部屋のカーテンを閉める。
「ボクはこれから寮生たちの様子を見に行かないといけない。それからエースとデュースの外泊許可も出さないと。」
勿論返事は返ってこないが、「いい子で眠っているんだよ」と微笑んだ。
「おやすみ、ボクの…可愛い迷子の女の子。」
END.
And have a good sleep!