第1章 良夜ティーパーティー!【Malleus】
「やっっと、終わったー!!」
夜12時。
魔法薬学の課題に苦戦していた監督生は今の今までグリムと一緒に奮闘。
欠伸をしながら窓の外を眺めたら、大きな月が光っていた。
「ふな…オレ様、もう何にも考えられないんだゾ…。眠気が、限界、なんだゾ……ふな…」
「よしよしお疲れ様、グリム。もう寝ようね」
グリムは喋りながら丸まって、次の瞬間には眠りについてしまった。
グリムは座学が得意でないから、こんな風に根気強く課題をやるのは苦手だ。
眠いけれど、ちょっとお散歩でもしてリフレッシュしてから寝ようかな。
監督生はグリムを起こさないように、そっとオンボロ寮の外へ出た。
今夜は晴れていて、もし箒に乗れたら魔女のように飛び回りたくなるような空模様だった。
外は風もなく、心地よい涼しさ。
こんな夜はあの人に会えそうな予感。
何処へ向かうでもなくただ何となく歩いていると、
「おやおや」
あの人がいた。