第5章 突撃シュリンプ!【Floyd】
小エビちゃんは泣きそうな顔で何か言った。
もう言葉にすらなってねーって思ったけど、「はい」って聞こえた。
「あは、小エビちゃん言葉喋れてねーじゃんっ。」
「うれしく、て…」
「泣いてんの?」
「泣いてません」
フロイドは監督生をギュッと抱きしめ、そのまま持ち上げた。
高い高い、をするように。
「きゃ、高、こわいですフロイド先輩」
「ぜってぇ離さねえから安心して?あはっ」
「フロイドせんぱ」
「ねーねー小エビちゃん、オレのこと好き?」
「はい、好きです」
「えへっ、オレも〜」
優しく監督生を下ろすと、彼女の目線に合わせて屈んだ。
「小エビちゃん、すきぃ。」
そして彼女の前髪をかき分け、額にキスをした。
「せ、せ先輩」
「あ〜オレがあげたやつちゃんと着けてんの。偉いじゃん〜」
「か…可愛いですか?」
「うん。世界一カワイイ〜。」
またフロイドはギュッとした。
幸せだ、と思った。
「ゆったでしょ?特別な日にするって」
モストロ・ラウンジの照明は、いつの間にか桃色の珊瑚礁の色になっていた。