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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第3章 3分の1でも選ぶとは限らない



 聞けんかったわ。もしかして俺のこと心配してくれたん?って。…...不思議や、いつもなら絶対言えることが段々言えんくなってくる。

 そんでいつも、避ける割には余計なことしてくんねん。

「お前、熱あるんちゃうか」
「はぁ? あるわけないやろ、目節穴になってるんちゃうか? いいからどけや」
「俺やない、水田さんが言うとった」

 突然水田さんの名前が出て、何も言い返せんくなった。
 結局先輩達に気付かれて強制的に部活を早退させられる。仕方なく、渋々荷物をまとめて返る準備をしとる時、さっきまでなかった一件の通知が届いとった。通知を確認すれば、水田の弟から『体調大丈夫か...?』と通知が入っている。

 たまに、水田さんの言葉と行動の違いには困惑する。なんだかんだ、結構いいように振り回されてるやん俺。でもちょっと、それが楽しいかもしらんと思ってる自分もおる。『熱あったから、今日は部活せず帰るわ』と、知らないふりをして水田の弟に返信を送ると数分後すぐに返信が返って来る。

『よかった!』

 (アホ、弟じゃないのバレバレや)

 でもこれでええねん。勘違いのままでええ、どっちでもええ、まだ今はこっちの方が心地ええから―――。 

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