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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第3章 3分の1でも選ぶとは限らない



「てか水田ちゃんダメやであんな男選んだら!」
「いやいや、私告白とかしたことないししないよ」
「告白されたとかはあるやろ? ほら、あんたこの前! 三年の川崎先輩に告られたんやろ? 隠したって無駄やでぇ、うちらの情報模なめたらあかんよ」

 で、なんて言われたん? どこが好きや言うとった? 付き合ったんか? その問いかけからしばらくして「あ゛...っ⁉」と水田さん聞いたこともないような大きな声が聞こえ、思わず床に手の平をつきながらその場でしゃがみ込んだ。

(あかんバレた―――!?)

「大丈夫や水田ちゃん! 三秒ルールやで!」
「だよね」

 盗み聞きしてることも忘れて思わずその場でこけそうになった。てか落としただけかいな! ほんま紛らわしい。勘違いさせんなや......。それに、俺が気になっていたことは聞けなさそうで、痺れを切らして今度こそその場を後にした。

(そもそも、盗み聞きなんて俺も人のこと言えへんしな)

嗚呼、こんなことになるんやったら最初から聞かなよかった。なかったことにすればこんなモヤモヤすることなんてなかったはずやのに。いっそのことノリでもええからアイツらと一緒に俺の悪口でも言ってくれれば良かったんや。そうすれば俺やって、吹っ切れがつくんやけどな―――。

 なんでやろう。よさこいが終わってからいつも以上に妙にソワソワして落ち着かん毎日な気がする。別に期待もしてない。でも、なんやろな。また次会った時を思うとなんか毎度楽しみになんねん。それがなくなると思うと、どうも嫌な気分になる。

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