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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第1章 喧嘩止めたら殴られた。





「なんでよ、いいじゃん」
「い゛た゛……ッ!!?」

 そう言いながら湿布の張ってある頬へ手を伸ばした角名くん。ピンポイントで痣のある場所を思い切り押され、思わず自分でも聞いたことないような声が出て静かな授業中の教室にこだました。

 私だってまさか角名くんが怪我しているところを触るような無慈悲な人間だとは思ってはいなかったけど、そのまさかだった。相当イカれた思考回路をしている。道徳の欠片も感じられな角名くんの行動に私は彼の人間性を初めて疑った。
 それに、関わりたくない。言ったそばからこれだ。角名くん好きって言ってる女子は絶対騙されてる。まだ遅くない、目を覚まして。

「水田大丈夫かー?」
「だ、大丈夫です………授業続けてください…」

 湿布の張ってある頬を押さえながら机にうずくまりジンジンとくる余韻に耐えながら震えた声でそう言った。こいつやっぱりゴリラだよ。か弱い女にすることじゃないよこれ。
 一方、角名くんはいつの間に自分の机に戻っておりうずくまりプルプルと震え笑いを堪えている。それに加えてクラスの皆もクスクスと笑いが漏れた。

 もう、本当に嫌だ。今日ほど消えていなくなりたいと思った日はない。というかもう二度と来ないだろうし、来ないことを祈る。

 出来ることならお母さんの子宮から人生やり直したいです。


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