第11章 過去
「なんで気づけなかったんだ。あの時、俺が気づいてりゃ、こんなことにならなかったんだ。」
「ごめん。俺は知ってたのに。」
円堂の言葉に椿はそう言い、壁にもたれてそのまましゃがんだ。
「やめろ!お前らのせいじゃない。これは円堂のせいでも、北条のせいでも、監督のせいでもない!北条は何度もアツヤを止めようとしていたな?でも、大阪で『俺じゃ止められない。』と言っていた。試合中も北条が吹雪に『アツヤ』と呼びかけているのを俺は聞いていた。それに、これは俺たちチームの問題だ。確かに、俺たちはエターナルブリザードに頼りすぎていた。吹雪にさえ繋げば点を入れてくれると。吹雪にとってそんな思いがかなりの重圧になっていたに違いない。戦い方を考え直すべきかもしれない。吹雪のために。そして、俺たちがさらに強くなってエイリア学園に勝つために!」
鬼道は言った。みんなそれに賛同した。
風丸は静かに病室を出た。