第11章 過去
次の日の12:00。
ヒロトと約束の時間に現れたのはエイリア学園だった。
そう。ヒロトのチームとは、エイリア学園の「ザ・ジェネシス」だった。
ヒロトの本当の名前はグラン。
円堂の友達だろうが、エイリア学園と分かった以上、手加減はできない。
士郎とアツヤ。
自分はディフェンダーの士郎だ。
でも、必要とされてるのはフォワードのアツヤ。エターナルブリザードを打てるアツヤ。
大丈夫。僕でもエターナルブリザードは打てる!
ジェネシスは早い。
グランのただのシュートがマジン・ザ・ハンドを破った。
打った本人のグランですら驚くほどあっさり。
2点目も同じように。
その後も圧倒的な試合を続けるジェネシス。
ついには10点も差をつけられた。
士郎はアツヤを抑えるのに精一杯。
このままじゃ円堂が危ない。風丸はジェネシスに追いつこうと必死になるが、ジェネシスのスピードについていけない。
「そんなことがあるはずがない。俺たちが追いつけないなんて…!」
風丸のスピードでも追いつけない。
風丸は絶望を感じていた。
もう15点差だ。
でも、まだまだ雷門は終わらない。
円堂は諦めてない。諦めなければ必ず反撃のチャンスは来る!
鬼道がカットし、吹雪にパスした。
アツヤを抑え、士郎がゴールまで走るが、士郎ではシュートできない。
吹雪が決められずがっかりする雷門イレブン。必要とされているのはアツヤなんじゃないか?
士郎がエターナルブリザードを打ったが、簡単に止められてしまった。
ついにグランは必殺技「流星ブレード」を放つ。
このままでは円堂が…!誰もがそう思っただろう。
だが、そこへ吹雪が突っ込んでいった。
吹雪にあたった流星ブレードはゴールからはそれた。
「士郎!!」
吹雪はそのまま気を失ってしまった。
みんな吹雪を囲んで声をかけ続ける。
一方、風丸。
勝てない、
そう絶望していた。
ウォーミングアップにもならない。そう言われた。