第5章 白恋中サッカー部
翌朝
椿以外はスッキリと起き上がる。いつもの椿はこの時間の少し前まで活動している。みんなが起きるのとほぼ同時に寝入るのだが、今日は吹雪が隣にいたおかげで夜中から寝れていた。
「きーくん。起きれるー?」
吹雪は椿を起こす。
「もーちょっと。」
椿はまた寝始めてしまう。
「朝ごはんはどうするの?」
「いらない。」
「ダメだよ。起きてー」
吹雪に揺らされて仕方なしに起き上がる椿。
「きーくん起きたー!」
吹雪は椿に後ろから抱きつく。
「士郎、重い。」
「重くなーい」
吹雪と椿がじゃれているのを見て、周りは思う。
吹雪って北条といると性格変わるな。
と。
マネージャーたちは朝ごはんを食べる椿を見て驚いた。
いつもは眠そうにしてて自分でも食べることができないほどの椿がしっかりと自分で食べていたのだ。しかも吹雪と仲良さそうにじゃれている。
「ねぇ、きーくん。これちょうだい?きーくんあんまり好きじゃないでしょ?」
吹雪は椿のお盆に乗っていたミカンに手を伸ばす。
「うん、いいよ。」
「やった、」
椿にも驚きだが、なんか吹雪が甘えているのを見てまた驚く。
白恋中の面々もあんな吹雪くん見たことない。と驚いていた。
「体調は?もう平気?」
「うん。元気なはず。朝はよくわかんない。眠いし。」
そんなことを言いながらも椿はいつもよりも目が開いている。
「すごいな、北条が朝からちゃんと起きてる。」
一之瀬は周りに聞こえないように隣の土門に耳打ちした。
「それはやっぱ、流石幼なじみってことだろ。」
土門も一之瀬と同じように声を潜めて椿と吹雪を見る。