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彼らとサッカー【イナイレ】

第4章 旅立ち


椿は少し俯きながら答えた。


「しょうがねぇじゃん。人が起きてる時間ってのは俺にとっては恐怖でしかねぇんだよ。怖いんだ。」

「怖い?」

「いつ母さんが来るかわかんねぇだろ?母さんは昔から肌荒れするからとかいろいろ言って夜は絶対に寝てたんだよ。だから夜は自由だった。夜はどんなにサッカーやってても怒られねぇから。」

「つまり、サッカーがしたくて夜に起きるようになったら昼間起きれなくなった。ってこと?」


一之瀬一哉が聞く。


「うーん。ちょっと違うな。それもあるんだけど、普通徹夜とかしてもなんとか起きてられたりするだろ?」


みんなが頷く。


「俺の場合、それも無理なんだ。医者が言うには過度なストレスによる睡眠障害だな。」

「睡眠障害?」


円堂が首を傾げる。


「寝付けなかったり、起きれなかったりすることですね。睡眠のリズムが乱れて戻らないことを言います。まさしく北条くんの症状はそれでしょう。まぁ一種の病気ですね。」


目金が説明してくれた。


「北条!お前病気なのか!?」


円堂は驚いて椿の肩を持ち前後に揺らす。


「首もげる〜。」


椿の首がぐわんぐわん赤べこのように揺らされる。


「わ、悪い。で、病気なのか?」

「まぁそうだな。病気じゃないとは言い切れないけどって感じ。でも別に体に害があるわけじゃないし。」

「大変なんだなぁ。北条も。」


塔子が椿の肩を叩いた。


「無理やりにでも夜寝てみたら起きられたりしないのか?」


一之瀬の隣で土門飛鳥が言う。


「うーん。こうなってからはあんまり夜寝たことないんだよな。試す価値はあるかも。」

「よし!北条。今日は無理やりにでも寝てみろ!」


円堂に言われて椿は頷いた。
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