第1章 ~牛垣武明の場合~
俺の名前は牛垣武明。28歳。
グループ中小企業で働き、
部下10人を束ねている主任である。
「角。プランAはこのまま続行していいが、
プランBはやり直せ」
「…全部…ですか?」
こいつは昨日、
転社してきた角湊。25歳。
ネイビー系のスーツ。
深緑色のサラッとした長い前髪。
襟足は短めだが、
いかんせん瞼までかかっている前髪。
キリッとした顔つきだが暗い印象。
「ああ。プランBは全部やり直せ」
「分かり、ました…」
見た目だけじゃなく声も弱弱しい。
仕事ができないわけじゃないが、
あの前髪をなんとかすればと思うのであった。